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眉毛脱毛症とは?概要と原因、効果的な対処法などを解説

眉毛の抜け毛に悩まされている場合、“眉毛脱毛症”が原因である可能性があります。
しかし、あまり症例が知られていない病気だけに、「自分がそれに該当しているのかわからない」という方が大半ではないでしょうか。

そこで本記事では、眉毛脱毛症の概要と原因、そして自宅で実践できるセルフケアの方法などを紹介します。
「眉毛がなぜ抜け落ちるのか、その原因を知ったうえで対策しよう」という方は、ぜひ参考にしてください。

眉毛脱毛症とは

眉毛脱毛症とは、ストレスや自己免疫不全などのなんらかの理由によって、眉毛が抜けてしまう病気のことです。
場合によっては、眉毛だけではなくまつ毛や脇毛なども抜け落ちることがあります。

また、眉毛脱毛症は円形脱毛症の一種として起こるケースが多く、この場合は症状が進行すると爪がもろくなる、あるいは爪に点状のでこぼこができるなどの特徴が現れます。

眉毛脱毛症がもたらす日常生活への影響

眉毛が頻繁に抜けるようになった場合、日常生活では以下のような悪影響が生じます。

眉毛脱毛症による日常生活への影響の例

  • メイクがのりにくくなる
  • 表情や顔つきが変化する
  • 抜けた眉毛が目に入りやすくなる

このようなことが続くと、自己肯定感や自信の低下を招き、コンプレックスを抱えてしまいかねません。
今まで通りの生活を送ることは難しくなるため、症状を早期に発見したうえで適切に対処する必要があります。

眉毛脱毛症による症状の種類

眉毛脱毛症は、症状が現れる際の特徴や抜け毛が起こる範囲の違いによって、以下の3種類に分けられます。

眉毛脱毛症の症状の種類

分類 特徴 脱毛の範囲
単発型 円形の脱毛斑が1か所のみに現れる 眉毛の一部分
多発型 円形の脱毛斑が複数の部分に現れる 眉毛、頭髪、まつ毛など
汎発型 全身の毛が抜けやすくなる 眉毛、頭髪、まつ毛など

単発型は、毛が抜け落ちる範囲が限定的であるケースです。
そのため、抜け毛があまり目立たないこともあり、その場合は放置していたとしても自然に治ります。

しかし、多発型や汎発型は、眉毛からほかの部分の抜け毛へと広がっていきます。
汎発型に至っては脱毛が全身に拡大した症状であり、こうなると眉毛脱毛症の範囲には収まりません。
精神的な負担も大きくなるため、一刻も早く対処したほうがよいでしょう。

眉毛脱毛症の原因

眉毛脱毛症が起こる背景には、いくつかの原因があると考えられています。
以下では、その詳細と、どのようなメカニズムで眉毛脱毛症が引き起こされているのかを解説します。

ストレス

過度なストレスを受けつづけると、自律神経のバランスが崩れて成長ホルモンの分泌量が減少するため、眉毛が成長しなくなる、あるいは抜け落ちることがあります。

自律神経とは、交感神経と副交感神経から成る、生きていくうえで欠かせない生命活動の維持を担う神経のことです。
人体は、この2つの神経が交互にはたらいて自律神経のバランスが調整されることで、呼吸や代謝などが良好に保たれています。
しかし、過度なストレスを受けてバランスが乱れた場合、成長ホルモンの分泌にも悪影響が生じ、眉毛脱毛症につながるというわけです。

ホルモンバランスの乱れ

前章でも触れましたが、ストレスは、自律神経だけではなくホルモンバランスの乱れも引き起こします。
ホルモンバランスが崩れると、女性ホルモンのプロゲステロンの分泌量が減少することから眉毛の成長が緩やかになり、結果として抜け毛が増えてしまいます。

また女性は、妊娠や更年期に生じるホルモンバランスの変化にも気をつけなくてはなりません。
こちらもストレスによる影響と同様に、プロゲステロンの分泌量が低下する原因となり得ます。

加齢

眉毛脱毛症には、加齢も関係していると考えられています。
眉毛の発育のスピードは、年齢を重ねて代謝が落ちるとともに緩やかになっていくため、次第に抜け毛のほうが目立つようになっていきます。

栄養不足

栄養素が毛根に十分に届かず、毛の成長が妨げられることも、眉毛脱毛症の原因の一つです。

眉毛をはじめとする人体の毛の健康維持には、ビタミンやミネラル、さらにはタンパク質などの栄養素が欠かせません。
これらが慢性的に不足すると、眉毛が成長しにくくなる、あるいは細く弱々しくなるため、抜け毛のリスクが高まります。

過度な手入れ

眉毛の形を整えようと、毛抜きやワックスを用いて頻繁に抜いていると、毛周期が乱れてその部分から眉毛が生えにくくなってきます。
また、毛根がダメージを受け、眉毛に栄養素が行き渡らなくなるため、頻繁な毛抜きは避けましょう。

内分泌疾患

眉毛脱毛症は、円形脱毛症が眉毛にも及ぶことで発症するケースが多いといわれています。
また、バセドウ病や甲状腺機能低下症などの内分泌疾患が影響して起こる可能性もあります。

内分泌疾患とは、ホルモンが過剰に分泌される、あるいは逆に不足するなどの症状をもたらす病気のことです。
このような病気に該当するバセドウ病や甲状腺機能低下症などは、甲状腺から放出される甲状腺ホルモンの乱れを招きます。
甲状腺ホルモンは毛の成長にかかわるため、このバランスが崩れることは、抜け毛の原因にもなり得ます。

眉毛脱毛症はどのように進行するのか

眉毛に脱毛の症状がみられた場合でも、初期段階なら抜け毛の範囲が狭いため、病院に行かずに放置したとしても自然に回復することが少なくありません。
しかし、次第に脱毛部の範囲が拡大していき、最終的に眉毛全体が抜け落ちてしまうこともあります。
脱毛の症状が体のほかの部位に現れることもあるため、眉毛の抜け毛が気になった際は、脱毛範囲をよく確認したうえで病院を受診するかどうかを判断するとよいでしょう。

また、脱毛の症状だけではなく、眉毛の色や質感の変化が生じることもあります。
このようなケースでも、病院ですぐに治療することで脱毛の被害を最小限に抑えられる可能性があるため、異常を感じたときは医師にお早めにご相談ください。

自宅でできる眉毛脱毛症のケア方法

眉毛脱毛症の症状が軽度な場合は、自宅でケアを施すことで、脱毛の症状を改善できる見込みがあります。
以下で、ケア方法の詳細を見ていきましょう。

ストレスを解消する

前述の通り、ストレスは眉毛が抜ける原因となるため、自分に合ったかたちでストレスを発散することが大切です。
たとえば、運動で思いきり汗をかく、あるいは風呂にゆっくりと浸かるなどの方法であれば、自宅でも実践しやすいでしょう。

眉毛が抜けて見た目が変化すると、自己肯定感や自信が低下し、さらなるストレスとなります。
脱毛の症状が軽度であっても、「眉毛が剥げているのが目立ち、気になってしまう……」とお悩みであれば、セルフケアだけではなく後述する治療方法もお試しください。

きちんと睡眠を取る

自律神経のバランスを整えるには、ストレスを溜めないことのほか、適度な睡眠にも気を配らなくてはなりません。

通常、人の体は、起床している状態では交感神経が優位にはたらいています。
しかし、睡眠によって体がリラックスした状態になると、交感神経の動きが抑えられ、反対に副交感神経が活発になります。
つまり、睡眠不足に陥った場合は交感神経のみがはたらいている状態が続くため、自律神経のバランスが崩れてしまうというわけです。
このような自律神経のバランスは、眉毛の成長と密接な関係にあります。
自律神経の乱れが血行不良やホルモンバランスの乱れに繋がると、眉毛の成長が遅れたり、薄くなったりする可能性があるためです。

また、眉毛の成長に欠かせないホルモンは入眠後3時間が分泌量のピークとされており、睡眠時間が短いと、このホルモンが全身に行き渡りません。
こうした理由から、眉毛に成長ホルモンを届けることで抜け毛を防ぐには、まとまった睡眠時間が不可欠なのです。

バランスの取れた食事を意識する

眉毛脱毛症のケアでは、必要な栄養素を十分に摂れるよう、良質な食生活を送ることも心がけたいところです。

お伝えしたように、人体や眉毛の健康維持には、ビタミンやミネラル、そしてタンパク質が不可欠です。
毎日毎食、これらの栄養素をバランスよく配した食事を摂ることは難しいかもしれませんが、栄養の偏った食事にならないよう、可能な限り意識できるとよいでしょう。

眉毛をマッサージする

栄養素や酸素を毛根に効率よく届けるために、マッサージで眉周辺の血行を促進することも効果的です。

眉毛のマッサージは、皺眉筋(しゅうびきん)と眼輪筋(がんりんきん)という2つの筋肉を中心に行いましょう。
皺眉筋は、眉間から眉中部まで斜めに伸びている筋肉であり、親指と人差し指で優しくつまむことでほぐせます。
眉毛の下にある眼輪筋は、親指をアーチ型のくぼみに沿わせつつ力を入れていくと、ほどよい刺激を与えることが可能です。

このようなマッサージは、ホットタオルや市販のホットアイマスクを使用しつつ行うと、リラックス効果とも相まってより心地よさが得られます。

刺激の少ないスキンケアを行う

ソフトタッチなスキンケアで、毛根のダメージを抑えて眉毛の健康を良好に保つことも欠かせません。

刺激の少ないスキンケアを行うには、普段から強いクレンジングを使わず、むやみに擦らないようにして洗顔することが大切です。
ただし、毛穴に詰まった皮脂やメイクの残りは取り除けるよう、優しく丁寧に洗いましょう。

また、眉周辺の乾燥を防ぎ、皮膚のうるおいを保つこともポイントです。
化粧水やクリームなどできちんと保湿することで、眉毛の成長を促す効果が期待できます。

眉毛美容液・眉毛育毛剤を使用する

眉毛脱毛症の改善には、眉毛美容液や眉毛育毛剤も役立ちます。

眉毛美容液は、現在の眉毛にハリやコシを与えて美しく保つことができる、化粧品の一種です。
なかには、眉毛の成長を促す栄養成分やホルモンが配合されているものもあります。

一方、眉毛育毛剤とは、育毛だけではなく発毛を促す効果も期待できる、医薬部外品のことです。
有効成分が毛根に直接はたらきかけて新陳代謝を高めるため、健康な眉毛が生えてくる可能性があります。
眉毛脱毛症にお悩みの方は、このようなアイテムも活用してみてはいかがでしょうか。

眉毛脱毛症に効果が期待できる治療

ここまででお伝えした自宅でのセルフケアを実践しても、思うような効果がみられない場合は、医療機関で受けられる施術に頼るとよいでしょう。
以下でいくつかの治療方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

アートメイク

アートメイクとは、皮膚の薄い部分に専用のマシンや針を使用して特殊な色素を注入し、着色する施術のことです。
肌に色素を直接入れているため、たとえ汗を流したり洗顔したりしたとしても、描いた眉が落ちることはありません。
そのため、眉毛が抜け落ちて薄くなってしまった場合でも、見た目の印象の維持に役立てることができます。

なお、アートメイクは皮膚の薄い部分に対して施術を行うため、肌のターンオーバーとともに徐々に色が薄くなっていきます。
その効果の持続期間は1~3年程度だといわれており、タトゥーのように半永久的に色が残るわけではないことには注意が必要です。
また、アートメイクは医療行為となりますので、専門の美容クリニックで施術を受けるようにしましょう。

内服薬の服用

円形脱毛症が原因で眉毛が抜け落ちている場合は、免疫系のはたらきを調整する、あるいは栄養状態をサポートできるような薬を処方されることがあります。
また、内分泌疾患によって眉毛脱毛症が引き起こされているケースでも、その症状に合わせて薬物治療が行われます。

医療機関で処方される内服薬は、いずれも医師の診断が必要となるため、まずは皮膚科や毛髪専門クリニックを受診するとよいでしょう。

外用薬の使用

眉毛脱毛症に対する外用薬を使った治療では、主にステロイド薬が用いられます。
ステロイド薬は、毛根の炎症を抑えつつ発毛を促す効果があるとされており、患部に直接注射する、あるいは塗布するかたちで使用します。

ただしステロイド薬は、顔の皮膚が薄い部分に塗ると、かぶれや炎症などの局所性の副作用が出るおそれがあるため、眉毛脱毛症の治療に用いる場合も注意が必要です。
医師の指導のもと、正しい方法で使用するようにしてください。

PRP治療

PRP治療は、血液から濃縮した多血小板血漿を体の損傷箇所に注射することで、炎症による痛みの緩和や組織の修復を目指す再生医療です。
眉毛の毛根にある血管にも効果が期待できるため、抜け毛が起きている弱った毛根に多血小板血漿を注入すると、そこにある血管が新生される可能性があります。
その結果、血行が改善され、栄養素や酸素が毛根に効率よく届くようになり、発毛の促進や眉毛の成長が見込めるというわけです。

PRP治療は国内では比較的新しい治療方法であり、施術が受けられる病院も多いとはいえませんが、興味のある方は対応可能な病院に一度相談してみてはいかがでしょうか。

眉毛の自毛植毛

眉毛が抜け落ちている部分に、後頭部や側頭部から採取した毛を植毛するという方法もあります。
この治療法では毛をつくる組織ごと移植するため、施術後も繰り返し眉毛が生え変わりつづけます。
つまり、植毛した部分の眉毛は、再び抜け毛に悩まされるリスクが軽減されるわけです。

また自毛植毛は、頭髪とはいえ自分の毛を使うことから、もとからある眉毛ともなじみやすく、自然な見た目に仕上げられる可能性があります。
手術に抵抗がなく、「脱毛を根本的に改善し、自然な眉毛を目指したい」とお考えであれば、自毛植毛を検討するとよいでしょう。

眉毛脱毛症はさまざまな方法で対処できる

今回は、眉毛脱毛症の概要と原因、さらに複数の対処法を解説しました。

眉毛が抜け落ちる背景にはストレスや病気などの原因が潜んでいるため、抜け毛を改善するには、原因を把握したうえで、それに基づいた対処法を施すことが大切です。
眉毛脱毛症の症状が軽い場合は、自宅で実践できるセルフケアで改善が見込めます。
しかし、思うような効果が得られないのであれば、医療機関を受診して適切な治療を受けたほうがよいでしょう。
自毛植毛の手術において豊富な実績を持つ親和クリニックforレディースでは、眉毛に対する施術も承っております。
「眉毛が抜けてしまった部分を、なんとかしたい」とお考えの方は、ぜひご相談ください。