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女性に起こるびまん性脱毛症とは?現れる症状や原因を解説

「最近、髪全体のボリュームが減ったな……」と、お悩みの女性もいらっしゃるのではないでしょうか?
もしかすると、その症状はびまん性脱毛症によるものかもしれません。

そこで本記事では、女性に多くみられるびまん性脱毛症の概要を、発症する原因とともに詳しく解説します。
髪のボリュームでお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

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びまん性脱毛症とは

びまん性脱毛症は、女性に多くみられる薄毛の症状の一つです。
男性特有の薄毛の症状で、部分的に脱毛するAGAとは異なり、頭部の広範囲で薄毛が進行し、髪全体のボリュームが減少するのが特徴です。

また、びまん性脱毛症の進行ペースには、個人差があるものの、比較的緩やかな傾向にあります。
そのため、初期段階では気づきにくく、知らぬ間に薄毛が悪化していることも珍しくありません。

少しでも「抜け毛が増えたかも?」と感じるようであれば、早めに病院やクリニックへ相談しましょう。

関連記事:女性も発症しうる脂漏性脱毛症とは?症状や治療方法を紹介【女性の薄毛】

女性がびまん性脱毛症を発症しやすい理由

びまん性脱毛症が女性に多くみられる理由は、その発症メカニズムにあります。

後ほど詳しく解説しますが、びまん性脱毛症の発症には、ホルモンバランスの乱れが深く関わっていると考えられています。
女性は、月経や妊娠・出産、更年期など生涯にわたって、何度もホルモンバランスの乱れを経験するため、特にびまん性脱毛症を発症する可能性が高いのです。

びまん性脱毛症のセルフチェック方法

「髪が薄くなったかも……」とお悩みの方は、下記の項目に当てはまるものがないかを確認してみてください。

【びまん性脱毛症のセルフチェック項目】

  • 抜け毛が増えた
  • 髪のボリュームが減った
  • 地肌が透けて見えるようになった
  • 髪の毛が細くなった
  • 分け目が広がってきた
  • 髪の毛の伸びが遅くなった
  • 短い髪の毛が多くなってきた
  • ヘアスタイルが決まらなくなった

これらの項目に一つでも該当する場合は、びまん性脱毛症が疑われます。
その際には、病院やクリニックで診断を受け、早期に治療を開始するのが望ましいです。

びまん性脱毛症になる原因

残念ながら、びまん性脱毛症を発症する原因は解明されていません。
しかし、有力な原因として考えられているものが5つあります。

【びまん性脱毛症になる原因】

  • ホルモンバランスの乱れ
  • 貧血
  • 栄養不足や無理なダイエット
  • 誤ったヘアケアによるダメージ
  • 甲状腺疾患

それでは、順に確認していきましょう。

ホルモンバランスの乱れ

びまん性脱毛症の主な原因としては、ホルモンバランスの乱れが考えられます。

体内の女性ホルモンと男性ホルモンのバランスは、加齢や不規則な生活によって崩れてしまいます。
女性ホルモンの一種である“エストロゲン”は、髪の毛の成長・健康維持に欠かせない役割を担うホルモンです。
一方で、男性ホルモンの“テストステロン”には、髪の毛の成長を阻害する効果があります。

上述したようなさまざまな要因により、エストロゲンが減少してしまうと、テストステロンの影響を受けやすくなります。
この状態に陥った場合、髪の毛が成長しにくくなり、ひいてはびまん性脱毛症の発症につながるのです。

貧血

女性が陥りやすい貧血も、びまん性脱毛症を引き起こすと考えられている原因の一つです。

髪の毛の成長には、酸素が必要ですが、その酸素を頭皮まで送り届けるためには、鉄分の存在が不可欠です。
しかし、貧血の状態では、体内の鉄分が不足しているので、鉄分をもとに生成されるヘモグロビンの血中濃度も低くなります。

ヘモグロビンの血中濃度が低いと、頭皮に十分な酸素を送り届けることができません。
その場合は、髪の毛の成長が妨げられるうえ、抜けやすくなるので、薄毛を引き起こしてしまいます。

栄養不足や無理なダイエット

栄養不足や無理なダイエットも、びまん性脱毛症を発症する原因となりかねないので、避けなければなりません。

食事によって身体に取り込まれた栄養素は、血液を巡って全身に運ばれます。
その際は、心臓や肺など、生命活動の維持に関わる部位に優先して栄養素が届けられるため、生命活動の維持に関わりの薄い髪の毛に届くのは、最後のほうになります。

したがって、偏った食事や無理な食事制限を続けていると、髪の毛まで栄養が届かず、薄毛につながる可能性があるというわけです。

誤ったヘアケアによるダメージ

日頃のヘアケアが、びまん性脱毛症の原因になることもあります。

本来、シャンプーやブラッシングなどのヘアケアを行うと、頭皮や髪の毛を健康な状態に保てるので、薄毛の予防が期待できます。

しかし、誤った方法によるヘアケアは、逆効果となる可能性があるため、注意が必要です。
たとえば、“1日に何度もシャンプーをする”“ゴシゴシと強く洗う”などが挙げられます。
何度もシャンプーをすると頭皮に必要な油分まで流れ落ちてしまいますし、強く洗うと頭皮を傷つけてしまいます。

このように、誤ったヘアケアを行い、頭皮や髪の毛にダメージを与えつづけていると、びまん性脱毛症を引き起こす可能性があるので気をつけましょう。

甲状腺疾患

びまん性脱毛症は、慢性甲状腺炎をはじめとする、甲状腺疾患によっても引き起こされるとされています。

首にある甲状腺からは、甲状腺ホルモンが分泌されていますが、甲状腺疾患にかかると、その分泌量が低下します。
甲状腺ホルモンは、新陳代謝を促進させ、髪の毛の成長を促す役割を担っているため、発毛に欠かせない存在です。

したがって、甲状腺疾患により、甲状腺ホルモンの生成が低下すると、髪の毛の成長に必要な栄養が足りなくなり、びまん性脱毛症を引き起こしてしまうのです。

女性のびまん性脱毛症は予防できる?

女性のびまん性脱毛症は、原因を解明できていないため、完全に予防することはできません。
しかし、以下で紹介する4つの項目を意識すれば、発症する可能性を抑えられるとされているので、ぜひご参照ください。

良質な睡眠をとる

まず、びまん性脱毛症を予防するためには、良質な睡眠をとるようにしましょう。

その理由は、髪の毛の成長と睡眠のあいだには、深い関わりがあるからです。
睡眠をきちんととることで、頭皮の細胞が回復するうえ、髪の毛の発育を促す成長ホルモンが分泌されます。

この成長ホルモンの分泌量が上昇するといわれている22時~2時の時間帯を含んだうえで、毎日6~8時間の睡眠時間を確保するのが理想です。
また、睡眠の質を高めるためには、スマートフォンやパソコンといったブルーライトを発光する機器を、寝る直前に使わないようにするのがベターです。

食生活に気を配る

食生活に気を配り、髪の毛の生成に必要な栄養素を摂取することも、びまん性脱毛症の予防につながります。

健康な髪の毛を生成するためには、タンパク質やミネラル、ビタミンなどの栄養素をきちんととることが大切です。
以下に、髪の毛に必要な栄養素とその役割、含まれる食材をまとめましたので、参考にしてみてください。

【髪の毛に必要な栄養素】

栄養素 役割 摂取できる食材
タンパク質 髪の毛の原料となる 肉・魚・卵類・乳製品
ミネラル 髪の毛を生成する毛母細胞を増やす 納豆・ナッツ類・牡蠣
ビタミンA 血の流れを促進して頭皮環境を改善する 緑黄色野菜
ビタミンB 髪の毛の生成を補助する 大豆・マグロ

上記に挙げた栄養素が含まれる食材を、日々の食事にバランスよく取り入れることを心がけましょう。
なお、どうしても食べられない食材がある場合は、足りない栄養素をサプリで補いたいところです。

適度に運動する

びまん性脱毛症の予防には、適度な運動も欠かせません。

運動には、血流を促進させる効果があるため、髪の毛に栄養を供給し、健やかな成長をサポートしてくれます。

血流の改善におすすめの運動は、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動です。
継続して取り組むことで、血流改善の効果も高まりますよ。

しかし、仕事や家事の都合で、身体を動かす時間がなかなかとれない方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方は、日常生活のなかで歩く機会を増やすことを意識してみてください。
たとえば、エスカレーターではなく、階段を使うだけでも歩く機会は増えます。
普段より早起きして、出勤の際に一駅手前で降りて歩いてみるのもよいでしょう。

正しいヘアケアを行う

びまん性脱毛症を予防するためには、正しいヘアケアを行うことも大切です。

前述した通り、誤った方法でヘアケアをしていると、びまん性脱毛症の原因となり得ます。
そのため、ご自身が習慣的に行ってきたヘアケアを、今一度見直してみてください。

シャンプーは1日1回に留めておき、洗いすぎやすすぎ残しに気をつけて、健やかな頭皮環境を保ちましょう。
また、入浴時や就寝前に頭皮を優しくマッサージすると、頭皮の血行促進や毛穴詰まりの緩和が期待できます。

女性のびまん性脱毛症の治療方法

びまん性脱毛症は、薄毛治療クリニックで適切な治療を受ければ、症状を改善できる可能性があります。
ここからは、びまん性脱毛症の治療方法を3つ紹介していきます。

自毛植毛

自毛植毛は、主に後頭部の髪の毛を皮膚組織ごと採取して、ボリュームが気になる部分に移植する治療です。
手術から4か月ほど経つと移植した部分から髪の毛が生え始め、1年後には十分な長さに生えそろいます。

そんな自毛植毛のメリットを、以下にまとめました。

【自毛植毛のメリット】

  • 植毛後は薄毛になりにくい
  • 拒絶反応が起こりづらい
  • メンテナンスが必要ない
  • もともと髪の毛が生えていない部分への移植もできる

自毛植毛では、薄毛になりにくい後頭部の髪の毛を利用するため、移植したあとも薄毛の影響を受けにくい性質をもったまま、髪の毛を生やすことができます。
また、使用するのは、患者さまご自身の髪の毛なので、拒否反応が起こる可能性を限りなく抑えられます。
移植した髪の毛が安定すれば自然と生え変わるため、メンテナンスが不要なうえ、もともと髪の毛のない部分に移植できるのもうれしいポイントです。

自毛植毛は痛い?施術後に起こりうる症状も紹介

発毛メソセラピー

発毛メソセラピーとは、薄毛治療に有効な成分を直接頭皮に浸透させる治療方法のことです。
主に、髪の毛の成長を促す成分である、“ミノキシジル”を使用して、継続的に治療を施します。
ミノキシジルを頭皮に直接吸収させるため、短い期間で発毛効果を得られるのが特徴です。
個人差はあるものの、治療開始から6か月程度で発毛効果を実感される方もいらっしゃいます。

なお、従来の治療では、注射針を使って有効成分を頭皮に届けていましたが、現在では、針を使わない“ノーニードル発毛メソセラピー”が新しい治療方法として注目されています。
ノーニードル発毛メソセラピーでは、微弱な電波によって治療を行い、有効成分を頭皮の奥深くまで浸透させることが可能です。
針を使わないため、痛みや腫れを減少できるというメリットもあります。

内服薬(パントガール)

パントガールを内服することでも、びまん性脱毛症の症状を改善する効果が期待できます。

パントガールは、髪の毛の成長に必要な成分が含まれた内用薬です。
長期的に服用を続けることで、髪の毛の成長を促してくれるので、薄毛の改善につながります。

主要成分は、ビタミンB1やアミノ酸など、普段の食事からでも摂取できる栄養素のため、命に関わるような副作用のリスクが極めて低いという特徴があります。

びまん性脱毛症は、女性に多くみられ、髪全体のボリュームが減少していくのが特徴

本記事では、びまん性脱毛症の概要や発症する原因について詳しく解説しました。

びまん性脱毛症は、女性に発症することが多く、全体的に髪の毛の薄さが目立つ症状です。
ホルモンバランスの乱れをはじめとして、貧血や誤ったヘアケアなどに起因すると考えられています。

薄毛が気になる場合は、自毛植毛や発毛メソセラピーなどの治療を受け、症状の改善を目指しましょう。

親和クリニックforレディースでは、患者さまに寄り添うことを第一に考え、痛みや腫れを抑えた自毛植毛を施しております。
医師・看護師・カウンセラーの3者体制による丁寧なカウンセリングと治療で、びまん性脱毛症のお悩みを全力で解決に導きますので、まずはご相談ください。

音田正光

【経歴】

医学博士。福島県立医科大学大学院修了後、米国留学、日本医科大学老人病研究所等で一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子生物学、腫瘍学の研究に約十数年従事したのち、植毛手術を開始。
最近の10年間で、前半の約5年間はFUSS手術をメインに執刀。症例数は1000例超、その後はFUE手術にて症例数2,000例以上の実績を持つ。平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆し、この分野の先駆的報告となった。
得意な自毛植毛手術は、ハイスピードメガセッション、Super Dense Packingによる高密度移植、女性型脱毛症の治療、フェイスリフト傷跡への毛髪移植手術、フェイスリフト後のもみあげ変形の修正術。

部位・目的別 自毛植毛