投稿日:2024年2月21日
更新日:2024年4月26日

女性が悩む牽引性脱毛症とは?今日からできる予防方法も解説

Last Updated on 2024年4月26日 by shinwa-ladies.jp

「可愛く見られたい」「理想の自分に近づきたい」と想う女性にとって、褒められた髪型や気に入ったヘアアレンジは毎日続けたくなるものです。

しかし、同じ髪型で過ごしているうちに、分け目や抜け毛が気になってきたという経験はありませんか?
そのような場合は、牽引性脱毛症が疑われます。

今回は、牽引性脱毛症の症状や原因を、予防方法とともに解説します。
いつまでも美しい髪でおしゃれを楽しみたい方は、ぜひご覧ください。

牽引性脱毛症とは

牽引性脱毛症は、習慣的に髪を引っ張ることで起こる脱毛症です。
年齢問わず、髪を結ぶ機会のある女性が発症することが多いとされていますが、もちろん、男性にも起こる可能性があります。

また、長期間に渡って同じヘアスタイルのままでいると、「分け目が薄くなった」と感じることがあるかもしれません。
これも牽引性脱毛症の始まりです。

こだわりの髪型を続けていると、髪の毛や頭皮の同じ箇所ばかりに負担をかけてしまいます。
次第に、頭皮の血の巡りが滞りがちになり、髪が成長できずに抜け毛や薄毛が目立つようになるのです。

牽引性脱毛症の症状

牽引性脱毛症を発症すると、髪の分け目や生え際の薄毛が気になり始めます。

また、抜けた髪の毛の根元に白い塊があることも、牽引性脱毛症の症状です。
これは「毛包」とよばれるもので、髪の毛が抜けないように保護するほか、成長を促す役割をもっています。

毛包は、ヘアゴムやアメピンを無理やり外すなど、強い力が加わることによって髪の毛が抜けたときにしか見られません。
抜けた髪の毛に、毛包がついていることが増えたら、牽引性脱毛症を疑う必要があります。

牽引性脱毛症の原因

女性が牽引性脱毛症を発症する主な原因は、「髪を引っ張りつづける行為」です。
具体的には、以下の4点が挙げられます。

牽引性脱毛症を発症する主な原因

  • ヘアアイロンやコテを毎日使用する
  • 長いあいだエクステをつける
  • 同じような髪型を続ける
  • サイズが小さい帽子を長時間かぶる

なかでも、髪の癖を伸ばすヘアアイロンや、地毛に毛束をつけるエクステは、特に髪の毛や頭皮に負担をかけます。
これらは熱のほか、毛根近くの接着や髪の重みが加わることで、髪の毛や頭皮にかかるダメージをさらに増加させ、薄毛が起こるリスクを高めるとされているのです。

牽引性脱毛症になる可能性がある生活習慣とは

牽引性脱毛症が起こる原因には、習慣的に髪を引っ張るだけではなく、ストレスや睡眠不足、不適切な洗髪などの生活習慣も一部影響しています。

ストレスがたまって自律神経が乱れると、身体や頭皮の血の巡りが悪くなります。
さらに、睡眠不足によって、頭皮までエネルギーを供給することが難しくなるため、髪の毛や頭皮の成長に不可欠な栄養が行き届かなくなってしまうのです。

また、髪を洗いすぎたり、シャンプーやトリートメントを洗い残したりすると、頭皮の健康状態を悪化させます。
適切に洗髪し、清潔な状態を保っておくことを常に意識しておきましょう。

牽引性脱毛症を予防する方法

ご自身が気に入った髪の分け方や、ヘアスタイルがあるときは、あまり変えたくないかもしれませんが、髪の毛や頭皮にも休息する時間が必要です。
日々、きちんと対策できていないと、素敵な髪型が引き金となって、牽引性脱毛症を発症する可能性があります。

ここからは、牽引性脱毛症を予防するために取り組みたい3つのポイントを紹介していきます。

【牽引性脱毛症を予防する方法】

ポイント①髪をおろす日を作る

牽引性脱毛症を予防するためには、髪をおろし、とにかく髪の毛や頭皮に刺激を与えない日を作ることが大切です。
学校や仕事で髪をまとめなければならない場合は、帰宅後すぐに髪をほどく習慣をつけ、髪をおろす時間をできるだけ増やしましょう。

また、ヘアアイロンやコテを毎日使用するのは避けたほうが無難です。
髪をまっすぐ伸ばすとき、もしくは髪にカールをつける際には、どうしても髪の毛が引っ張られるからです。

しかし、女性のなかには髪の癖や広がりが気になって、セットなしでは髪をおろしたくない方もいらっしゃいますよね。
そのような方は、くせ毛を活かした髪型に変えるほか、縮毛矯正やパーマを検討してもよいかもしれません。

ポイント②髪の結び方を変える

どうしても髪の毛をまとめる必要がある場合は、髪を結ぶ位置を低くしたり、緩めに結んだりと、髪の結び方を普段と変えるのも牽引性脱毛症を防ぐ方法の一つです。

牽引性脱毛症を発症しないためには、「同じ髪型を続けない」ことが重要なので、髪の結び方を少し工夫すれば予防が期待できます。

髪を結ぶ際は、シュシュを使用するのがおすすめです。
リングゴムやシリコン素材のヘアゴムはしっかり結べるものの、結び目に力が加わりすぎてしまう可能性があるためです。
シュシュのように太めで柔らかい素材のヘアゴムを使用すると、結び目がきつくならずに仕上がります。

ポイント③分け目を変える

こまめに髪の分け目を変えることでも、牽引性脱毛症の予防につながります。
毎日数mmずらすだけで、髪の毛や頭皮の負担を軽減することができますよ。

一方で、意識的に同じところで髪を分けているのではなく、勝手に分かれてしまうというケースもあるかもしれません。
そのような場合は、髪を濡らしたあとに分け目をなくすイメージで、地肌を軽くこすりながらジグザグに乾かしてみてください。
ドライヤーの温風のあと冷風を当てると、整えた状態がキープされやすいのでおすすめです。

髪の分け方が変わるだけでお顔の印象も変わりますので、ご自身に合う分け方を研究しながらおしゃれを楽しみましょう。

牽引性脱毛症を改善するためにご自身でできる対処法

抜け毛や薄毛が気になり始め、牽引性脱毛症の可能性が疑われたら、「なんとかしたいけれど、どうしたらいいの?」と焦ってしまうものです。
そのようなとき、ご自身でできる対処法を知っていれば、少し心に余裕がもてますよね。

ここでは、牽引性脱毛症を改善するためにご自身でできる3つの対処法を紹介します。

【ご自身でできる対処法】

ヘアスタイルを変える

牽引性脱毛症の対処法は、まず「ヘアスタイルを変えること」です。
髪の結び方や分け目を変えるほか、髪の長さを変えるのもおすすめです。

長い髪は女性らしい印象を与え、おしゃれの幅もグッと広がります。

しかし、髪をまとめる際は手間がかからないことから、つい同じ結び方になることもあるかもしれません。
その髪を結ぶ習慣によって、結果的に牽引性脱毛症を発症してしまう可能性があります。

そのため、ショートヘアやボブのように、思い切って短いヘアスタイルにすると、髪を結ぶ機会や髪の重み自体が減り、牽引性脱毛症が起こりにくくなるとされています。

また、ショートヘアなら髪にボリューム感を出しやすく、薄毛部分もカバーできるでしょう。
カットやセットの方法によって、さまざまな印象を作ることができるのも短い髪ならではです。

サプリメントや育毛剤を使用する

牽引性脱毛症の根本的な原因を改善したのち、髪の成長を促す「サプリメントや育毛剤」を使用すれば、牽引性脱毛症の対処法としても有効になる可能性があります。

通常、発毛効果が期待できるサプリメントや育毛剤は、ホルモンバランスの乱れや遺伝といった内的要因による薄毛の症状を改善するために用いられます。
そのため、牽引性脱毛症のように、外的要因で起こる薄毛の場合は、期待していたよりも効果を実感できないかもしれません。

牽引性脱毛症が疑われたら、サプリメントや育毛剤を使用して改善を図る前に、必ず医師に相談してください。

頭皮マッサージを行う

「頭皮マッサージ」で血の巡りを良くすることも、牽引性脱毛症を対処する方法の一つです。

頭皮が引っ張られた状態が続くと、血の巡りが滞り、徐々に硬くなってしまいます。
頭皮が硬くなると薄毛だけではなく、頭痛や不眠までも引き起こす可能性があります。
身体全体の調子を整えるためにも、頭皮をほぐし、血の巡りを良くしておくことが重要なのです。

頭皮マッサージは、指の腹で優しく地肌や筋肉を動かすイメージで行います。
指先や強い力でマッサージすると、頭皮が傷ついて炎症を起こす可能性があるほか、頭皮への負担が大きくなり、かえって症状が悪化することもあり得ます。

牽引性脱毛症に効果がある頭皮マッサージのやり方

ここからは、牽引性脱毛症に効果がある頭皮マッサージのやり方を紹介していきます。
頭皮マッサージを行う際の手順は、以下の通りです。
ぜひ、入浴中や就寝前などのリラックスタイムに取り入れてみてくださいね。

頭皮マッサージの手順

  1. 耳の後ろから頭頂部に向かってほぐす
  2. 側頭部をほぐす
  3. 首の後ろから頭頂部に向かってほぐす

はじめに、両手の指の腹を耳の後ろに当て、頭頂部に向かって円を描くように動かします。
一か所につき、5~10秒を目安に気持ちの良い強さで頭皮をほぐしていきます。
そこから、頭皮を持ち上げるイメージで耳上あたりの側頭部まで移動し、同じように円を描きながらマッサージしてください。
最後は、首の後ろから後頭部を指圧しながら、頭頂部に向けて頭皮を引き上げます。

長時間、頭皮マッサージをすると毛根にダメージを与えるほか、地肌が炎症を起こし、抜け毛や薄毛を悪化させるおそれもあるため、一日3分程度を目安に行いましょう。

牽引性脱毛症を専門のクリニックで治療する方法

根本的に牽引性脱毛症を改善したいなら、ご自身での対処法にくわえて、本格的な治療が欠かせません。

ここからは、牽引性脱毛症を専門のクリニックで治療する方法を2つ紹介していきます。

【専門クリニックでの治療方法】

自毛植毛を受ける

自毛植毛とは、ご自身の後頭部や側頭部の毛を、薄毛が気になる部分に移植する手術のことです。

自毛植毛を受けるうえで、手術後の見た目に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
多くの場合、移植する髪の毛は上から隠せる場所を選んで採取しますので、見た目が変化することは少なく、手術後でも安心です。

ただし、採取する際は、後頭部の髪を刈り上げるケースもあります。
髪を刈り上げると、見た目に影響が及ぶこともありますから、自毛植毛を受ける際は、クリニックが行っている植毛方法を公式ホームページで確認しておきましょう。

親和クリニックの自毛植毛では、髪を刈り上げず、0.5~0.6mmほどの小さな穴を開けて手術を行う術式もあります。
薄毛にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

メソセラピーを受ける

専門のクリニックで牽引性脱毛症を治療する方法には、有効成分を頭部の深くまで注入する「メソセラピー」も挙げられます。

メソセラピーは、注射器や針のついたローラーなどを使用して有効成分を注入し、髪の毛や頭皮に栄養を届ける施術です。
患者様の症状やクリニックの方針によって異なりますが、多くの場合、月1回を目安に6~16回程度施術すれば、十分に効果を実感できるとされています。

メソセラピーを受ける際には、「痛みや腫れはあるの?」と不安になるかもしれません。
個人差はあるものの、有効成分の注入に針を使用する場合は、施術中に痛みを感じる可能性もあります。

ただし、針を使わないレーザーや炭酸ガスを用いる方法もあるため、痛みや腫れが不安な場合でも安心してくださいね。
クリニックによって注入方法が異なりますので、ご自身に合うクリニックを選ぶことが大切です。

牽引性脱毛症は髪を引っ張りつづける行為で起こる。ヘアスタイルを見直して予防しよう

今回は、牽引性脱毛症の症状や原因について解説しました。

女性に多い牽引性脱毛症は、習慣的に髪の毛や頭皮が引っ張られることで起こる脱毛症です。
予防するには、分け目や髪型を変え、頭皮を休ませる時間を作ることが重要です。

牽引性脱毛症は、ご自身でのケアにくわえ、専門のクリニックでの治療が大切ですので、早めに医師に相談しましょう。

【女性の自毛植毛】親和クリニックforレディースは、薄毛治療専門のクリニックです。
女性が抱える薄毛のお悩みを解決できるよう、丁寧なカウンセリングを徹底しております。

音田正光

【経歴】

医学博士。福島県立医科大学大学院修了後、米国留学、日本医科大学老人病研究所等で一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子生物学、腫瘍学の研究に約十数年従事したのち、植毛手術を開始。
最近の10年間で、前半の約5年間はFUSS手術をメインに執刀。症例数は1000例超、その後はFUE手術にて症例数2,000例以上の実績を持つ。平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆し、この分野の先駆的報告となった。
得意な自毛植毛手術は、ハイスピードメガセッション、Super Dense Packingによる高密度移植、女性型脱毛症の治療、フェイスリフト傷跡への毛髪移植手術、フェイスリフト後のもみあげ変形の修正術。

部位・目的別 自毛植毛

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